犬の糖尿病について

犬の糖尿病とは


糖尿病はインスリンの欠乏または作用不足によりおこります。
この原因としては、遺伝的素因の他に肥満、感染などの環境要因が関与しています。
インスリンは、膵臓でつくられるホルモンで、 体の組織が血中の糖を利用するために必要なものです。
インスリンがないと、糖は血液の中に残ったままになり、 最終的には尿の中にでてきます。
これが尿の量を多くしたり、のどが渇く原因となります。
また、血中の糖を体が利用できないため、空腹感が増します。
病気が進行するにつれて、ケトンと呼ばれる化学物質が蓄積し、 その結果、吐き気や脱水状態を引き起こします。
この病気になったペットを治療しないでそのままにしておくと、 昏睡状態におちいり、最後には死んでしまいます。
糖尿病は完治しない病気ですが、インスリンを適切に投与することで、 病状を抑えることができます。

糖尿病の治療


症状にもよりますが基本的には毎日のインスリンの投与が必要です。
インスリンの投与量は個体によってそれぞれです。
インスリンが足りない場合は血糖値が下がりませんし、 インスリンが効きすぎた場合は低血糖という状態を起こします。
低血糖を起こした場合は命にかかわってきます。
ですので、治療を始めるに際し、インスリン量の調整が必要になります。
その場合、まず数日間入院し、血糖値が十分に下がり、かつ低血糖を起こさない、 インスリンの量を大まかに決めます。そして、一時帰宅します。
一週間おうちでインスリンを投与してインスリン治療にならしたあと、 一日入院して一日の血糖値の動きをみます。
この時点より本格的にインスリンの量を決定していきます。
この血糖値の測定はしばらくの間(約1ヶ月間)1週間に一回、定期的に行って、 インスリンの投与量を決定していきます。
しかし、糖尿病の状態が重い場合は、しばらく入院して、静脈点滴などを行い、 体の状態を安定させながら、インスリンの調整を行うことになります。
この場合は動物の容体が重ければ入院期間が長くなります。
基本的には自分で採食できるようになるまで入院が必要となります。
インスリンの投与と同時に食餌療法も行っていきます。
食餌をとると血中の糖が急激に上昇します。
食後の血糖値の変化を最小限に抑えるために、 食餌のカロリーと与えるタイミングを一定に維持する必要があります。
そのため、獣医師の指示に従って食餌を与えていただきます。

糖尿病の予後


基本的に糖尿病は完治する病気ではありません。
しかし、適切な治療により、症状を抑えることができ、寿命を延ばすことも可能です。
その為には、インスリンの投与や定期検査、食餌管理が一生必要となります。

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